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Nice to meet you

ハロウィンなので英語と遊ぼう!の会

                                                                2020.10.31  Sat. 犬と街灯

                                                                     13:30 open  /  14:00 start

Set List

Talk

「図形詩」作品ができるまで

身近な英語の楽しみ方 ゲームや音楽から

Workshop

あなたが思うアルファベットのイメージは?

意味を広げる アナグラム、回文、カットアップ

​・どう訳す?

※各項目をクリックするとジャンプします。    告知ページ(犬と街灯HP

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20201031日。コロナウイルスの影響で東京オリンピックが来年に延期されるという前代未聞の衝撃があった夏が過ぎて、46年振りにブルームーンの満月が観測される時期と重なった、何とも幻想的で魅惑的なハロウィンの日。

気持ちの良い秋晴れに恵まれた中、下町情緒漂う大阪・庄内にあるギャラリー+本とかのお店「犬と街灯」にて、マニアックでコアな文化人がごく僅かに集い、ここにも前代未聞なイベントが密かに粛々と行われていたらしい…。

f3hitoにとって人生初となるイベントは、図形詩をはじめ超個人的な嗜好の紹介も含めたトーク & 文字の印象を考えたり言葉遊びをするワークショップ。

今まで見てこなかった視点から英語を味わい、楽しみ、親しむという、いわゆる勉強会やセミナーとは違った、役に立つかどうかは分からない、本当に英語“好き”だけが詰まった「遊び場」「部室」のような雰囲気であった。

Nice to meet you. そのタイトルをつけた理由は単にf3hitoの初舞台だけではない。参加者が辞書には載っていない英語の魅力、潜在力を探して見つけるという、新たな英語の一面と出会って欲しい冒険心溢れた意味も込められていた。

最初のトーク前半は図形詩の話から始まった。f3hitoが図形詩を知ったきっかけは、大学4回生の秋学期に買わされた英語の詩を読むゼミで使う教科書(詩のアンソロジー)だったそう。その本の中にワインボトルを形取った図形詩 - Accidentally Falling, Patience Agbabi が載っており、読む前から興味をそそる見た目のインパクト、形に沿う詩文というアート的かつ文学的である芸術性の高さに非常に感銘を受けたそうだ。参考

図形詩を作り始めたきっかけは、調べても図形詩の本が見当たらず(詩集の中に1つだけとか、目で楽しむ詩ではあるが図形ではないものが多く、唯一見つけたのは洋書で、日本には1冊も無い)、こんなに素晴らしい作品なのに知られていないのは勿体ない、もっと広めたいと思い、無いなら自分が作ろう!と書き始めたとのこと。参考

 

また本人は英語に恩も感じたと言う。どうやら就職活動が上手く行かず、将来の先が全然見えない、人生の一番の闇期に図形詩と出会い、“英語が”私を手離さなかったとか何とか…。高校までは学校の中でも英語の成績は上位で、英語に力を注いでいたが、大学に入ると周りは京大を目指していた人や帰国子女ばかりで、レベルの差を感じて英語からは少し離れていったみたい。

​途中イギリスに1ヶ月留学もしたが変わらず、怠惰な日々を送ったので案の定就活で内定がもらえず、どん底の中だったが、高校まであれだけ頑張っていた自分を英語が見離さなかった。図形詩と出会わせて自分に出来る事を与えてくれた。そんな運命的な話をするf3hitoはとても英語に感謝しているようだった。

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「図形詩」作品ができるまで

図形詩の歴史は、古代ギリシアからその例はあったそうだ。17世紀には教会にあるものを描いた宗教的な詩。19世紀には「不思議の国のアリス」から蛇の尻尾をモチーフにした詩など文学にも登場し始め、20世紀初頭になるとアポリネールによる手書きの詩や、e.e.カミングスのタイポグラフィ的要素を含んだ詩など、前衛的・実験的な作品が現れるが、1928年にいったんほぼ消滅。1950年代から再び姿を現し、1960年代に広まっていったよう。

John HollanderTypes of Shapeは、この頃の作品。(1960年代後半)

※e.e.カミングスは小文字のlをイメージしながら、葉が落ちる情景とともに(a leaf fallslonelinessを表現・文字の配置をしている。

また日本語でも新國誠一という詩人が「川または州」と題した図形詩を創っている。川の音・流れ、砂のザラザラ感を視覚的に表現した作品である。

新國は20歳で終戦を迎え、戦争中に飛び交っていた言葉が全て否定される世の中で(万歳と言っていた兵隊に対して不平を言う、みたいな?)言葉に対して不信を抱く。言葉に対する信頼と不信が入り混じる中、「言葉を裸にし、言葉そのものに還ろう」と、従来の詩形に囚われない、自由で解放的な詩を生み出したようだ。(歴史→参考)(作品→参考

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f3hitoWordで図形詩を作っているとの事。IllustratorPhotoshopが使えないからだそうが、Wordでも文字を曲げたり、行間や幅を巧みに調整して見事に作り上げるという事実は驚きだ。

昔は方眼紙を使用していた為、​どんな文字でも枠(マス)が同じで、縦に見ても文字が綺麗に整列されていた。(例 John HollanderTypes of Shape

方眼紙の方が作りやすく楽かもしれないが、Wordの方が調整が大変な分、より綺麗な曲線や形が表現できるようだ。

まずaaa…と影を作る。何よりも影(形)を決めるのが第一だそうで、ほわっと詩のテーマが決まったら、イメージに合わせて形を決め、影を作り、次に文章を入れていく。

文章は文字数が制限されるため、付け足すことより減らしたり削ったりすることの方が多いそう。ただ文字数が多い単語は、最終手段としてハイフンを使って改行されている部分もあった。

文字曲げにはワードアートを使っていた。便利だが使い過ぎるとファイルが重たくなるらしい…。

半分Wordの使い方講座になりながら、f3hito難なく手慣れた感じで、三角形に虹がかかったかのような作品を颯爽と作り上げ、実演してみせた。

図形詩制作には幾つか問題点があると言う。一つはあくまで“影”なので細部までは表現できないこと。コップは表現できても、コップに付いた傷までは表現できない。どうしてもならば、その部分だけ空白にするか、文字を大文字にするだろうとf3hitoは言っていた。

​もう一つは〇△□などシンプルなのは問題ないが、動物のツノや手足など、シルエットにした時に間に隙間や空白が出来てしまうものは、読者の読む順番を考えなくてはいけないこと。横読みで貫くのか、右耳は右耳・左耳は左耳のようにひとまとまりずつ分けるのか、どちらでも構わないがとにかく読者を混乱させてはいけないとの事だった。(作り方→参考)(心構え→参考

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トーク後半は、ゲームや音楽から英語と親しむという話。英語を習い始める前、小学・中学生の頃のf3hitoRPGゲームにハマっていたらしい。特にテイルズ・オブ・シンフォニアとテイルズ・オブ・ジ・アビスはやりまくっていたそうだ。そんな中魔術師が使う技名に興味を持ったと彼は話す。参考

​「英語なんて知らなかったから意味が分からずとも、そのカタカナが並んだ魔法の名前にときめいていた」と言う。今まで聞いたことの無かった響きが面白くて技名を覚えていたが、後々英語を習い、それが英語だと分かると、一瞬で魔法が発動した時にテレビ画面に映るビジュアル/グラフィックと結び付き、映像の記憶と共にすぐに英単語が覚えられたそうだ。

eruption=噴火、first aid=応急手当など。設定画面に出てくるセーブ、ロード、アイテムという言葉や、武器の名前にも~ソードや~ロッドと英語が散りばめられていると語っていた。

ポケモンにも、バタフライなどポケモンそのものや、サイコキネシス、アイアンテール、ハイドロポンプ、ギガドレインなど技名に見られる。

そういった洋楽・洋画・洋書何でも良いが、自分が興味のある好きなところから英語を親しむ例として、自身の経験から誰でも好きそうなゲームをf3hitoは紹介した。

身近な英語の楽しみ方 ゲームや音楽から
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​続けて音楽。始めの挨拶で自己紹介をしていたが、f3hitoはアニメやドラマのサウンドトラックを聴くのが趣味らしい。彼曰く「主題歌と呼ばれるOPEDは、作品全体を通したテーマやイメージで作詞作曲されるが、サウンドトラックはシーンごとに音楽があり、登場人物一人一人に曲があったり、名シーン等ではそのシーンの為だけに作られる音楽があるなど、非常に話の内容と密接に関わっているというか、ストーリーの流れに沿って作られていて、その映像の記憶と共にサントラに付けられた英語の曲名に注目してみると、ゲームの話と同じく、すんなりとその英語が覚えやすくなる…かもしれない」

そう言ってf3hitoは実際にスマホを取り出し、参加者にも体感してもらおうと曲を流し始めた。

1曲目は最近劇場版が公開され、その人気ぶりが社会現象にもなったアニメ「鬼滅の刃」からbrace up and run!。brace upは気を引き締める、覚悟するといった意味で、これは主人公・炭治郎が鬼になった妹・禰󠄀豆子を思い、鬼に対して優しさを見せてしまうが、その態度に対し冨岡義勇という男から、そんな気持ちでは守れるものも守れない!と厳しく叱責されるシーンで流れる。その後鬼と闘いながら妹を人間に戻す方法を見つけると覚悟をし、その証明に炭治郎が冨岡に飛びかかるシーンでは音楽も盛り上がる。主人公がrunしている光景がサントラを聞くだけでも思い浮かばれた。

2曲目はNHKの「歴史秘話ヒストリア」からthe outbreakoutbreakは悪い事の勃発、発生という意味で、まさに戦いが始まり大軍が走っていくシーンなどで使用されている曲だという。爆弾の大きな音などが想像されるメロディーは人間の運命、生死といったドラマチックな心の部分も音楽で奏でられているようで、途中からは荒れ果てた戦場を彷彿させる旋律が響いていた。

​因みに2曲とも、f3hitoが大好きとうるさい梶浦由記さんの楽曲である。

アルファベットのイメージ
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​トークが終わり、ワークショップへ。まずは事前に参加者に宿題として出されていたアルファベットのイメージから。アルファベットを1文字ずつ、大文字と小文字、全52文字を何かの頭文字だったり文字自体の形からどんなイメージが浮かびますか?という質問をf3hitoは出していた。

1文字1分かけるにしても大体約1時間かかる宿題だった。

本来アルファベットに意味は無く音だけの表音文字であるが、AB級という言葉があったり、エレベーターでも「F」は何階(floor)を表す文字であるなど、何かしらイメージや意味が日常から沁みついている気がする。そんなアルファベットに対するイメージを沢山持っていると、知らない単語と出会っても何となく遠からず近からずな意味が想像できる…かもしれない?と言う。d」から始まる単語は「ディスる」という言葉のイメージから多分マイナスイメージかな~?的な。

とても曖昧でぼんやりしているが、答え合わせ、というか回答をシェア交換してみると、非常にユニークで個々の職業柄だったり趣味趣向が見られる、十人十色で面白い様々な見解が色々と浮かび上がった。参考

例えば大文字の「A」は、始まり・タワー・一流・apple・赤・安心・安定・明るい・エース・アメリカ。やはりA級やA to Zといった表現、俗語・スラングからの印象が強い回答が多く、形からもタワーのような大きい存在・頼もしさを感じるのだろう。一方小文字の「a」には、小さい・かわいい・1つの・アルファといった言葉が並んだ。f3hitoも働いている英会話教室での出来事から“靴”という単語を出した。まだ5才でまっすぐ字も書けない子供が「a」を書いた時に線が斜めになり、それを見て子供が「靴みたい」と言ったという。靴でもシンデレラのガラスの靴やヒールを連想したと思うが、まとめると大文字の「A」が少し男性的・力強さを感じるものだったに対し、小文字の「a」は女性的・華奢なイメージがあると思われた。

続けて「B」はボールド・ベスト・熊・ボンド・ベルギー・濃青・太っちょ・二段腹・(野球の)ボール。「b」はサムズアップ(親指)・ブレス(息)・数字の6。

C」はビタミン・酸っぱい・オロナミン・黄・チャレンジ・スタイリッシュ・cat・(音楽の)ド・正統派・キリスト。「c」はコピーライト(著作権)・company・視力検査・丸カン・コロンとした感じ・chilling・(顔文字の)鼻。

D」はドラゴン・大人・(顔文字の)口、「d」は日付・おんぶ。

E」はフォーク・English・魔女・(雑誌)ELLE、「e」はメール・投てき系の武器・笑顔・縁の下の力持ち・最頻・平仮名の「の」を回転させたもの。

F」はフィクション・ファンタジー・階・ファイター・洋菓子・フランスパン・歯ブラシ・飛行機、f」は杖・(音楽の)フォルテ・しなやか・美しい・ポニーテール。

などなど時間の都合で「G」以降はざっと見せ合いになったが、「G」はゴジラ、「g」はグラム、「i」はiPhoneinformation・!マークの反対・ろうそく、「J」は(トランプの)ジョーカー・ジャック、「M」はマクドナルド・マダム・海・山脈・谷、等本当に音楽や手芸、家事(衣食住)、海外旅行、文学、映画…多岐に渡ってそれぞれの仕事や専門分野から回答が見られたのがとても興味深かった。(詳細はブログにて

​全体として大文字がやはりUFOUnidentified Flying Objectのように、何かの略だったりシンボル/象徴・修飾・マーク感があり、それに対し小文字は手に取るようなもの・実用・身近な感じで、大文字に比べて小文字の方が形や丸みからの“見た”だけの印象が多かった。

意味を広げる
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​ここからは言葉遊び。アナグラム、回文、カットアップといった英語の言葉遊びを通して、英語の隠された意味や“本心”みたいなものを探っていった。

​1つ目はアナグラム。たまたまイベントの前日に金曜ロードSHOW!で「ハリーポッターと秘密の部屋」が放映されていた。その映画のクライマックスでも、TOM MARVOLO RIDDLE(トム・マールヴォロ・リドル)がI AM LORD VOLDEMORT(わたしはヴォルデモート卿だ)に変わるというアナグラムが登場している。文字を1文字ずつ並び替えて違う言葉を作るという遊びだ。参考

イベントでは店名の「犬と街灯」(i n u t o g a i t o)で挑戦していた。急に言われても難しいので、完全な文章を作らなくても文字を全て使い切らなくても良いとの事で、思いついた単語をポンポン書き出していった。また元が日本語なのでローマ字でもOKだった。(コンマやアポストロフィの付け足しは可。)

​悪戦苦闘し悩み考えること約10分。出た単語はin, into, out, on, ago, it, go, to, a, an, I, U (=you), tag, nut, Ainu, unit, Inuitなど前置詞や短い言葉を作るので精一杯だった。もっと時間がある時に文を完成させたい!という参加者からの声もあった。母音が多くeが無いのがなかなか難関のようだった。

 

f3hitoも結構苦戦したらしく時間がかかったそうだが、模範解答として自身が作ったアナグラムを披露した。

(ローマ字)gin, oto, utai ←銀・音・謡。よく朗読会をしているお店のイメージが浮かぶ?(銀はわからん)

(英語)Go out, I ain't. ←「(出て行け)来ても私はいない」※ain't.am notの縮約形。金土日しか開いていない状況や不定休なお店の様子?

「犬と街灯」の特徴や雰囲気がアナグラムによって少し見えた気がした。

​2つ目は回文。さすがに回文を作るのはf3hitoでも無理だったので紹介のみだったが、Is it "I"? It is "I."(それはIですか?それはIです。)や、Race fast, safe car.(早よ走れ、安全運転の車)などがあった。また逆から読むと意味が変わるものもあり、それは回文を意味するpalindrome(s)/パリンドロームを逆から読んだsemordnilap/シモードニラップと呼ばれるが、1つ日本語の例として、クスリ―リスクを紹介した。クスリは病気を治す素晴らしいものだが副作用の危険もあることを忘れてはいけない、というf3hitoが高校生だった時に保健の先生がした話を「記憶に残ってる」と言い話をした。英語の例では、doggodは狛犬のイメージが浮かび、devillivedは昔は生きていたと主張するお化けが想像できると語った。nettenの時には映画「TENET」の話にもなったtenetは「主義・教義」と辞書で調べると意味が載っている単語だったが、それを知らずにf3hitoは先程のアルファベットのイメージから意味を想像していたらしい。(回文→参考)(TENETの考察→参考

補足だが、短い回文は見た時に対称的な美しさがある点から店名や商品名にも使われているようだ。f3hitoが大学で広告を学ぶ講義で聞いた話だそうだが、その例に衛星放送のWOWOW、ファッションブランドのINGNI、日清オイリオのOilliOなどがある。

​逆さに読むと意味が変わる文もまた、それに気が付くと言葉の秘めた想いみたいなものを感じるようなインプレッションがした。

​3つ目はカットアップ。まず導入としてEdwin MorganMessage Clearという詩を用いて、resurrection(再生・復活・蘇り)の中にはrest, run, sun, sure, set ,son, in, onの単語が潜んでいると紹介した。この詩は完全形である最後の一文“i am the resurrection and the life”に向かって、この文を基に文字を削って自分の特徴を1つずつ述べていく詩である。参考

カットアップとは既存の作品を分解・組み合わせることによって新しい作品を作るという、音楽の世界でも使われる技法、言葉である。

​分解したものを並び替えるものと、必要な分だけ残すものとがある。(例 Austin KleonNewspaper Blackout…新聞記事を塗り潰し、必要な言葉だけを残して詩を作っている。)

今回はAustin KleonNewspaper Blackoutに倣って、英語の歌♪Twinkle, twinkle, little starと♪Jingle Bellの歌詞を使用し、f3hito参加者たちはカットアップに挑戦した。これはタイトルの文字から使うのも良し、Aの単語にある文字とBの単語にある文字と美味しい所取りをして単語を作るのも良し、単語の順番は上から下へでなくても良し、である。とても自由度が高い分、逆に混乱させてしまってないかとf3hitoは心配しながらも、参加者たちは真面目に真剣に取り組み、熟考している時間はまさに英語と“遊んでいる”ような光景にf3hitoには見え、それは彼にとってとても感慨深く映っているようだった。

再び10分程のシンキングタイムの後、彼らは出来上がった文章を披露し合った。Twinkle, twinkle, little starでは、twinkleからwink, twin, inklittleからlitdiamondからand, onを抜き出したものや、w"h"atw"o"r"ld"からholdを作ったり、t"wi"nklewor"ld"からwildを作ったりしたものもあった。「犬と街灯」の店主さんは「Twitter, you hold me, twitter! why?」というSNSTwitterから離れられないのかなと依存症かと心配になる一文を(笑)、参加者の中からはf3hitoも絶賛した「wine, wine, what I want is wine, wine.」という酒好きアピールが凄い笑える一文(もはや傑作)を作って下さった方もいた。因みにf3hitoが作ったのは「I love you. I am a little star, you are the sky.」とやっぱり少し詩的なものだった。

Jingle Bellでは「snow fields we go making a song of/for a one-horse」や「snow is falling, silent night」、「one for all, all for one」という面白い文も出来上がった。

目についた単語を選びカットアップをすると、歌詞の要約になったり、自分がどう歌詞を捉えているのかがよく分かる言葉遊びであった。時にwineのような全くかけ離れた欲望まみれの奇抜な文が生まれるのも奇想天外で、実は裏のストーリーであった話かもしれないと想像が膨らみ、楽しく盛り上がっていた。

どう訳す?
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​気付けばもう夕方5時過ぎ。始まってから3時間が経っており既に予定の1時間オーバー。急いで次の話へ。

​この後予定がある人もいたので、あと30分で最後の朗読まで終わらせないといけなくなった。

本日最後のトピックは「どう訳す?」ということで、本来なら参加者の皆様に出題する英文をどう訳すかお伺いしたかったが、時間の都合で紹介のみに。

Flying planes can be dangerous.←この文をどう訳すだろうか?can beは「~がありうる、可能性がある」という意味だが、「飛んでいる飛行機は危険である可能性がある」と訳せる。しかし別の意味でも捉えられると言う。それは「飛行機を飛ばすことは危険である可能性がある」という訳である。つまりこの文は名詞planesでも動名詞Flyingでも主語になり得る、ダブルミーニング的な英文なのである。can beの部分がisであれば動名詞、areなら名詞と判断できる。

これは簡単な言語と言われる英語ゆえの一種の文法エラーであるが、他にもI hit a man with a stick.←「私は杖で男を叩いた」「私は杖を持つ男を叩いた」、What he wrote is a mystery.←「彼が書いたものは怪奇小説だ」「彼が何を書いたのかは謎だ」などがある。前者はI hit a man / with a stick.I hit / a man with a stick.かで、with a stickが動詞hitまたは名詞manのどちらを修飾しているかで捉え方が違う。後者はmysteryが複数の意味を持っているので二通りの解釈が出来てしまう。 ※この内容はf3hitoの『Serendipity』にそのまま載ってある。参考

文法的な「語学」の話からでも英語の二面性が見られた。まるで双子みたいだ。

​さっと説明を終え、朗読コーナーへ。

これは「犬と街灯」の店主さんから打ち合わせの時にお願いされた“おまけ”で、元々企画段階では予定に無かったが、何事もチャレンジ!ということでf3hitoは受け入れた。英語で、しかも図形詩を、朗読するなんて滅多に無いし、そんな事をした人物が他にいただろうか?

数日前、朗読の練習をしていたらしいf3hitoはブログでこんな事を書いていた。「朗読すると書いた過去の詩が息を吹き返す・蘇る感覚になる。声に出して読んであげることで文字に温度が出るというか、生きるというか。」参考朗読の醍醐味・魅力を少しばかり理解した様子だった。

まずは店主さんから朗読。f3hitoが「犬と街灯」をイメージして作った詩“A dog and street lamps”を読み上げた。大きくハッキリとした声で店内に響くのはさすがだなぁ…とf3hitoは思った。商店街の喧騒や親子ゲンカが聞こえる下町風情が伝わっただろうか…?裏話としてタイトルは「犬と街灯」をそのまま英語にしたものであるが、まず“と”を訳すのにandfwithかどちらを使うか迷ったそうだ。withだと‘犬’と‘街灯’が友達関係のような親密さが出るが、そうではなくただ単に横にあったものというイメージがあった為andにしたという。また“街灯”をlampsにしているがlightsの候補もあったそう。看板のイラストのイメージからやわらかい感じがあり、lightsだと強さ・直射・都会のビルの明かりみたいな感覚があった為lampsにしたという。あと実は庄内の風景・町並みを「ちびまる子ちゃん」の町中な舞台背景と重ねて、詩の文章を書いたという噂がある。

f3hitoが朗読したのは4篇。『Serendipity』より図形詩の「structure, meaning」「Myself」「enishi」、そして最後に「a summer day」を読んだ。ゆっくりと、情景をイメージしながら微かに感情移入もしながら、聞き取るのに追いつけるぐらいのスピードを意識し配慮しているのが分かった。初めてと言っていたが、落ち着いて噛まずにきちんと読めていたと思う。

Praying good luck, / And, to say / good-bye.

最後にyの余韻を残して、f3hito初のイベントは幕を閉じた。

​イベント終了後、f3hitoTwitterで「犬と街灯」と参加者に感謝を綴りながら、こう言葉を残した。

“どうか「遊んだ」だけで終わらせず、今日出た沢山のイメージを何かに活かして貰えれば嬉しいです。”

言葉遊びが少し無茶ぶり的な感じになり、慣れない事をさせて頭を痛くされていないかと参加者を心配する文章を添えていた。

後日のツイートでは、全て言いたいことは話せて後悔は無いが、内容を詰め込み過ぎたこと、アルファベットのイメージだけでも良いかもしれないと、次回に向けた(いつあるかは全然見通せないけど)反省ツイートをf3hitoは呟いていた。

イベントの内容がぎゅっと詰まった図形詩などの作品集

f3hito 『Serendipity』 発売中!

¥1,250 +tax アメージング出版(amazon 楽天市場

犬と街灯(大阪)本屋ウニとスカッシュ(長崎)BOOK MARÜTE(香川)

からもお買い求めできます!

※仕様が少しずつ違います。

 amazonのはバーコードあり、楽天市場のはPP加工なし参考

 お店で置いて頂いているものがバーコード無し・PP加工ありで一番綺麗です。

f3hito
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