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鉤括弧

鉤括弧は聖なるバリアのよう

続いていた文章を跳ね飛ばすかのように改行し、

必然的に原稿用紙の一番頂上に居座っている

鉤括弧の世界が大きく膨らめば

鉤括弧はまた、隣に文字が来るのを嫌がる

自分が常にトップに立ち、同じ肩を並べる者がいると気に入らない


人間の言葉には、果たしてこれ程の威力はあっただろうか

何故文面上では、人が口を開くと同時に

これまでの繋がりを切り捨ててしまうような行為が出てしまうのであろうか


しかし現代では、そんな小学校で学んだルールが

無くなりつつある

それは人間の謙虚さ、大人の表れなのか

学校で教えなくなったのかは分からない

ただ鉤括弧が上下左右に住人を住まわすことを許し、

文章と一体化することによって、

今度は、今まで通り本質が伝わるかどうか、…分からない


文章の中に埋もれる鉤括弧に

少し、人間の力が失われてくのを感じる

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