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水無月

雨が降る日に

私が哀しい詩を書いていても

庭のアジサイは明るく

可憐な存在感を見せている

葉に乗っかった蝸牛も

ゆっくり、ゆっくりと

首を伸ばして

天を仰ぐ


寂しい心の中

必死に生きる動植物

静かな雨音は

過酷を強いるものかもしれない

でも彼らを讃える

拍手喝采のようにも聞こえる


ただ

窓越しに外を眺める私には

一歩も踏み出すことが出来ず

空しさだけが増していき

雨とともに彼らを称賛するのであった

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