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fake wings

shine, bright morning light

now in the air the spring is coming

sweet blowing wind

singing down the hills and valleys

keep your eyes on me

now we're on the edge of hell

dear my love, sweet morning light

wait for me, you've gone much farther, too far

明るい朝の光よ、輝いて

​空気の中にはもう春が漂っている

甘く吹く風が

丘や谷を歌いながら下る

私から目を離さないでね

ここは地獄の縁だから

大切な貴方、甘い朝の光

ねえ待って、貴方は遠くへ行きすぎる

あまりに遠くへ

words

    keep an eye on    ~から目を離さない、見守る   hell    地獄   farther    もっと遠くへ

シンプルな曲ですが、“私”と“貴方”に距離を感じる歌詞ですね…。

まず“貴方”の比喩と見られる語がたくさん出てきます。moring light / spring / sweet blowing windmoring lightは最初と最後の2回出てきます)。そして“目を離さないでね”から急に展開が変わって“地獄”が出てきます。前半と後半で歌詞のイメージが≪明るい・穏やか≫から≪暗い・寂しい≫に変わる対比が印象的な歌です。​

個人的に気になった注目ポイントは、“地獄の縁”にいるのがwe、私「達」であること。

貴方のキラキラが目に付きますが、あくまで私と貴方は今、同じ場所に立っているということです。

ここで自分のメモを見てみると、これは卒業式の朝の曲なのでは?というト書きがありました。

そうして見ると非常に歌詞が理解しやすくなります。卒業シーズンなら“春”が来ているのも分かるし、風が吹いて桜が舞い散っている景色も浮かびやすいです。

では私と貴方を引き裂いているものは何か?そのボーダーラインとなっている正体は(私の実体験の話にもなりますが)、ずばり「進路」だと思います。

将来の進路が決まっていて、未来が明るい貴方。

進路が決まらず、先が見えない私。

そんな私達は同級生で、今日卒業式の朝を迎えている。そういう場面を歌った曲と見ると、凄く見やすい…。

“私”の心の辛さや葛藤が見えてくる気がしますし、“私から目を離さないでね”の部分は特に、浪人の私を落ちこぼれだとどうか見下さないで、境界線を引かずこのままでいてという強い思いが表れているなと思います。

fake wings。歌詞にも出て来ずタイトルになっているこの言葉の意味も気になります。

卒業=巣立ちの季節とも言いますが、それなら「翼」「羽」のイメージにも繋がります。

それが「偽物」と言うのだから、やはり“私”は旅立てずにいる。前に進めずにいる感じがします。卒業証書を受け取っても実感が湧かないというか、もらっても未来が見える切符でも無いし…的な。

先に進む貴方は輝いて見えるけど、私を置いて行かないで。天国と地獄を分ける境目に私達は立っている。

そんな寂しさ、哀しさ、孤独になる恐れ、憧れの遠さなどをテーマにした歌だと思いました。

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